江の川カヌー公園さくぎの紅葉と、双子のイチョウ

香淀にある迦具神社の大イチョウに感動した後、国道375号線沿いにある江の川カヌー公園さくぎへと向かいました。江の川カヌー公園さくぎは、江の川の上流部にあり、本格的なカヌーから夏には川遊びも出来る自然豊かな施設として知られています。そして、その少し下流の河岸には、知る人ぞ知る双子のようなイチョウがあるのです。



訪れてみると、カヌー公園を取り巻く木々の紅葉は早くも終盤。夏場から秋にかけて賑わっていた各施設も静まり返っていましたが、これからに備えて駐車場の大きな木にイルミネーションの取り付けがすすんでいました。



一方で、河岸に立つ二本のイチョウは、元気いっぱい。これからの急な冷え込みで、一気に黄葉をむかえることでしょう。



迦具神社(かぐじんじゃ)の大イチョウ

佐々部のカキノキから、三次市作木町香淀にある迦具神社(かぐじんじゃ)の大イチョウへと移動。国道375号線から山道に入って行くと、突然、大イチョウが姿をあらわしました。黄葉はと言えば、少し早いかなという感じですが見ごたえ十分です。



神社横の駐車スペースに車を停め、大イチョウを見上げれば、そのスケールと威風堂々とした姿に圧倒されます。樹齢6百年、高さ32m、幹回り7mの巨木で、県の天然記念物にも指定されるなど、お墨付きもいただいています。



そんな中で、しきりに下を向いて探し物をしている人たちがいます。というのも、ここ迦具神社の大イチョウの葉は、通常の扇状のものとは別に、数少ないもののラッパ状の葉(杯葉)をつけることで知られていて、それが全国的にも珍しく貴重なだけに人気があるのです。



その後は、向かい側の山の手に歩いてのぼり、高い所から見下ろしてみます。大きなイチョウの樹と神社、そして小さく見える見物客、背後の山の紅葉とあいまって素晴らしい景色でした。



佐々部のカキノキ

唯称庵跡のカエデ林の次は、同じく安芸高田市高宮町の佐々部のカキノキを訪ねました。そこで、大ショック発生です。下から見上げてみると、カキノキの葉は見事に散り落ちているものの、なんとオレンジ色のカキが見あたりません。



樹下まで近づいてみると、かろうじて数個見つけることができました。今年はカキの当たり年という話も聞いていましたが、ここ佐々部のカキノキにはあてはまらないのでしょうか?


太く逞しい幹、クネクネと曲がりながら円形に広がる枝、その姿が北広島町大朝の天狗シデをほうふつとさせてくれます。そんな姿に、オレンジ色の実を纏う巨木がなんとも魅力的なのですが、本当に残念でした。また、来年のよみがえりに期待したいですね・・・



唯称庵跡のカエデ林

安芸高田市甲田町の春日神社を出て、同じく甲田町にある唯称庵跡のカエデ林を訪ねました。カエデ林に到着してみると、日当たりの良い入り口付近では、紅葉も少し赤茶けた色になりつつありました。



それでも林の中の方に入ってみると、今が盛りの木や、時おり差し込む日差しに映える紅葉もいくつかありました。




特に、川沿いのカエデは落葉が進んでいるように感じられました。一方で、山裾あたりでは、まだ青いカエデの葉もいくつかありました。



紅葉シーズン中には大勢の人が詰めかける場所なのですが、やってきたのは2組のみ。まだ十分楽しめるレベルだと思いますが、さみしい限りでした。



案内板によれば、唯称庵跡のカエデは、1823年、庵主の本励上人が、京都の高雄から苗を取り寄せえて植えたという。その後、唯称庵はなくなりましたが、カエデはこの地の風土に適応し、樹齢を刻みながら老樹になったというのです。そして、1978年には、広島県の天然記念物に指定されているそうです。


唯称庵跡の石組が残されています。

春日神社の紅葉

安芸高田市甲田にある高林坊の紅葉を観て、次の目的地へと車を走らせていると、山裾に紅葉に包まれる社叢があることに気づきました。初めて見る神社なので、寄り道してみようと思い細い道へと入って行くと、そこにはハッとするような風景がありました。




神社の名前は春日神社で、正面には、大木を切り倒して作ったような手づくり感たっぷりの大きな鳥居。中央には拝殿が鎮座し、スギの大木が両サイドを守っている。そして境内には、多くのモミジの紅葉が彩を添えている。そんな絵のような神社だったのです。




境内に入ってみると、狛犬、灯籠、小さな祠などがありましたが、先ずは中央にある拝殿でお参り。境内を歩いてみると、全体的にきちんと整備されているし、紅葉の色が鮮やかでことのほか美しい。そんな好印象の残る神社でした。




この神社のことを知らなかったのでネットで調べてみると、歴史のある神社のようですね。特に、秋の大祭で行われる神儀は3百年続く伝統行事で、無形民俗文化財にも指定されているとのことでした。これからも、注目しておきたい神社のひとつですね。



