夕映えの中で
県民の浜から広島への帰り道、太陽の輝きをみて急きょ広島市安芸区矢野町に聳える「絵下山」(593m)山頂付近の展望台へと向かうことに・・・。それは、“夕映えの海”を航行する船をイメージしながらの思い付き行動だったので、交通渋滞に遭遇。現地入りした時には、既に夕映えの海が出現していました。
早速カメラを構えると、広島港から江田島市の切串港へと向かうフェリーが航行していて、ギリギリのタイミングでした。その後は、漁船などの通過を期待しましたが、なかなか航行してくれません。そんな中、切串港から広島港へと引き返すフェリーが再び姿を現しました。
その後、太陽が雲の中に隠れ夕映えも弱くなりあきらめかけていると、広島港から次のフェリーがやって来ている様子。そこで、寒さに耐えながら待機。すると、夕映えが戻って来たかと思えば、その中にフェリーが登場、続いて一隻の漁船も絡んできてくれました。
そして最後は、絵のように美しい夕陽に出会えました・・・
堤防の上を“フォト歩き”
寄島アッケシランドで貴重な花をみた後、そのすぐ前にある海岸線沿いの長い堤防の上を“フォト歩き”することに・・・。この日は薄い雲に覆われてはいましたが、時には日差しもある中、歩きながらそこにある魅力を探してみました。
三ツ山です。
瀬戸の島々を背に、沖合をプレジャーボートや大型貨物船が行き交い、じつに長閑な風景。時折、差し込む光に、海面もキラキラ輝いてくれました。堤防の先端にある「三郎」(かつては島でしたが今は陸続き)に向かって進んで行くと、海上にはこの地のランドマークの「三ツ山」があります。花崗岩でできた高さ10メートル・長さ15メートルの島が三つ、6メートル間隔で規則正しく並んでいるのが実に面白い。
歩き続けて「三郎」に到着すると、そこにはカキ筏が浮かび、遠くに水島コンビナートや瀬戸大橋がボンヤリ確認できました。海で繋がっているんだなと、感慨深いものがありました。「三郎」には展望公園や果樹園がありますが、そこに入って行くのは次の機会に譲ることにして、来た道を青佐鼻海岸まで引き返すことに・・・
堤防の内側は埋め立てられて、竹をはじめ多くの木々が成長していました。
再び長い堤防を歩き続けて、「青佐鼻海岸」まで帰って来ると、そこには船着き場や砂浜など、日常の海岸線の風景がありました。
青佐鼻海岸です。
夏には、海水浴を楽しむ人たちで賑わいます。
ホボロ島の今
安芸津町赤崎地区でジャガイモの花を観た後、同地区の高台から、安芸津湾に浮かぶ“虫が喰う島”「ホボロ島」の横顔を眺めてみました。潮が満ちているようで、残念ながら海面からは島の上の部分だけしかのぞいていませんでした。
この島の存在は以前から知っていたのですが、その場所を知ったのは、昨年の同じ時期にジャガイモの花を観に訪れた時でした。今回は2度目なので少し進化させて、帰り道の途中から、「ホボロ島」とその背後を行き交う船とのコラボに挑戦してみました。
昨年に調べてみると、「島を構成している凝灰岩が、1センチぐらいのダンゴムシのような生物・ナナツバコツムシによる生物浸食と波の浸食により、年々小さくなっている」とのことですが、日本においても珍しいとされる“生物浸食”が、身近で風光明媚な瀬戸内海で見られるとは驚きですね。
ベイサイドビーチ坂
呉ポートピアパークからの帰り道、「国道31号」沿いにある「ベイサイドビーチ坂」に立ち寄ることにしました。この「ベイサイドビーチ坂」は、広島市内から車で約30分のところに造られた人工砂浜で、夏の海水浴シーズン以外は夜間も開放されていて、マリンスポーツをはじめ、夕日や夜景を楽しめるところとしても知られています。
ところがビーチに立ってみると、マリンスポーツをする人はおらず、人も少なくわずかに釣り人がいるくらい。そんな中、砂浜で遊ぶ子供や、足元に咲くハマヒルガオなどの花が彩を添えてくれました。
そして、歩行者用の路を歩きながら、日ごろはあまり関心のなかった日よけテラスや、海岸沿いを走る呉線の電車にも注目してみました。
灯台記念館と大浜埼灯台
因島大橋の展望台から大浜PAに引き返して、そこから歩いて行ける「灯台記念館」(旧大浜埼船舶通航潮流信号所)と「大浜埼灯台」を訪ねることにしました。
大浜の町並みです。
1989年、広島市内で開催された「海と島の博覧会」のパビリオンにあった恐竜(ザウル君)が、ここに展示されています。
先ずは「しまなみ海道」に架かる歩道橋をわたり、上り路線へと移動し海道を離れます。因島アメニティ公園に立ち寄り、広島ゆかりの恐竜にご挨拶。続いて山道を上って行けば、「灯台記念館」と「大浜埼灯台」を眼下に望める場所に到着です。
灯台記念館です。
真下に古めかしい「灯台記念館」があり、その下には「大浜埼灯台」が静かに佇んでいました。このロケーションには船の往来が欲しいので、しばし待機。ようやく船が通り過ぎてくれました。
そして、その下にある「大浜埼灯台」へと移動。小さな灯台ですが、因島大橋の架かる海峡「布刈(めかり)瀬戸」を航行する船舶の安全を、今なお守り続けている大切な灯台です。
灯台の下の海岸に降りてみると、綺麗な砂浜がありました。
そして、見物を終え大浜PAへと帰ろうと歩き始めると、ミカン農家のご夫婦から「ここにあるミカンをどうぞお持ち帰りください」と声をかけられました。聞けば「たくさんミカンが残っているので、ここを通る方に無料で配っている」のだとか。色々とお話をさせていただき、ありがたく頂戴しました。因島の優しいご夫婦のお人柄に触れ、心に残る因島の旅となりました。
白い建物の灯台記念館と大浜埼灯台のある、布刈瀬戸です。